枯葉道 去りし日思ふ足取りの重きは枷かつのる慕情か
秋風に壊れし思ひいくばくか花の命の移ろいに似て
背中越し見つめる先は同じとて見ゆるは違うそれぞれの明日
急ぐ足 休めて行けとベンチあり 日差し暖か誰の優しさ
松の色 秋の訪れさす針の散りざまの間に高き青空
お別れに約束の花 蕾あり 今年も想ふ君の生きた日
片恋の名残微かに花びらを数えたことも忘れつつあり
幾星霜闇夜と過ぎた年月を目覚めて今は青空を待つ
家を出て都電荒川線に乗り 生きるを選んだ14の冬
風に揺れる秋桜一輪あるだけで胸に天使が舞い降りた朝
雨上がり生き生きと咲く鉢植えに季節の移ろい愛する隣人
青空の果てまで伸びる線路なら連れてっておくれ光の源へ
片隅の忘れ去られたブランコに二人乗るなら貴方は誰と
いじらしく夏の名残の陽を浴びて花開く君 何を思うの
秋来たりて日暮れの原に独り立つ此処は彼岸か続く花々
天と地を結ぶ雨なら愛おしく降るを待つ間はただ傍に居て
懐かしい話をしようか 北風が運ぶあの日のSee-SawでSEE