遠 く知らぬ処で
く らしている君と僕
ま るで何もなかったように
で きるだけ忘れているんだ
旅 に出たのはそんな時
す ぐにも知りたくて
る すがちな心をノックする
人 の存在が
た ちまち
ち がう道を去っていったように
に がい記憶しかないから

あ れから
ふ た周りした年月の
れ コードに針を置いて
る 浪の民を聴く
幸 せって君にはどんなものなの
せ かいは
を わりと始まりの連鎖なのだから
祈 ろうよ
る ビーのような赤信号も青に変えて
よ ごされた日々にさよなら

僕 は元気です、と
ら ジオに乗せて伝えようか
の どかな休日に
す さんだ瞳をしないでよ
む ずかしいことはさておき
こ ころを溶かしてしまいなさい
の んきに聞こえるかい?
せ まい世界だから
か ん単に僕を見つけて
い じめたいのなら
で んわでもすればいいさ
は 壊を望むのならね
旅 に出たんだよ僕は
に くらしいだろうが
で きることなんて何もないでしょ
る すにするのもあれが最後
り ゆうもなく憎まれても
ゆ 快に笑い飛ばすよ今度は
う まれて来た以上は生きなきゃならないし
が んばっている人を邪魔する奴は
あ いを知らないのだろう気の毒に
り っぱにはなれないけどそれくらいは同情する

誰 も
も う忘れてるんだよ
み ないで気づいてないのは君だけ
な にもないんだってことを
手 の中は空っぽ
を しみなくその手を振って
ふ ざけた日々にさよなら
っ きましては
て を額に寄せて敬礼
は い、それでおしまいにしようよ
し ばられて生きるのは苦しいでしょう
ば かみたいと笑わないからさ
し ごく真っ当に現実を見てごらん
別 れた後の幻を見てるだけでしょう
れ きしの中で動けない者こそが
る 浪という渦の中で回っているだけなんだよ


小沢健二『ぼくらが旅に出る理由』より




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