『孤高の勇者』


遥か頭上に孤高の星を戴き
君は確かに勇者である
誰も見たことのない道を拓き
痛む足を引き摺って征くのだ
その背よりも高い枝を薙ぎ払って
開ける視界は果たして
君の望むようなものなのか
いや、
旗印もなく
ただ渇望に動かされて
何を望むのか知らぬまま
君は進んでいるように見える
それはまるで
戦さ場に向かうように
叩き込まれた大義を疑いながら
命を賭けて進軍する
独りぼっちの隊長である
勇者よ
孤高であれ
渇望こそ生であり
生こそが大義なのである
間違えるな
君のその太刀は
道を拓くことのみに振るうのだ
あとはただ
その重みを忘れずにいるがいい
その太刀に名を授けよう
だがそのことは他言無用である




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