せ　かいのかけらは
な　みだを堪え
か　がやかしい太陽が
か　おを地平線から覗かせて
ら　イラックの花を照らし
い　つか自分にも光を当てると
ま　ち続けていた
か　ならずや
ぜ　つぼうは
が　けの縁にぶら下がる
ふ　幸と共に落ち
く　難の時間は報われると

か　すかな期待で
ら　らと歌い
だ　けどその声は
は　るか太陽には届かず
た　ったひとり
だ　れにも気づかれず
そ　う、誰にも
ら　らという声は
に　おい立つライラックにも届かず
ま　るで無音の
う　宙のようにかき消された

ぼ　くは音
く　らい闇に放り出された
ら　らと発せられた音
ど　うしてここにいるんだろう
こ　んな筈じゃなかったのに
に　じんだ涙をただ届けたかっただけ
む　かしのことだろうか
か　ぜも吹いていた筈だけど
う　みも凪いでいた筈だけど
の　ぞみは見当たらないこんな場所で
だ　れかが歌った　ぼくは音
ろ　くに聴いてもらえない音
う　まれてきたのが間違いだったのだろうか

こ　んな歌を
た　だ聴いて欲しかっただけ
え　いえんに覚えてる
は　にかんだその微笑み

こ　んな僕を
た　だ見つけて欲しかっただけ
え　いえんに忘れない
は　にかんで返した微笑み
♪


浅田信一「ラズベリー」より