誰 かの瞳に
に じんだ涙が
も うこの手からこぼれそうで
傷 つけてしまったことを悔やんで
が っこうをさぼって
つ ぎの駅まで乗り過ごした
か ぜが吹いてくるのは
な いている誰かの方からで
い のる心地で空を見上げると
よ 感が私のちっぽけな心を震わすの
う そつきと
に くまれて
と おくへ置き去りにされる
独 りきりで遠くへ
り リックならよかったのに
で もいずれにせよ無力で
な んにせよ実ることなく

て のひらが熱いの
お ののいて
ど うしようと焦って
ら せんの奥に突き落とされてしまうの
な みだが出るならよかったのに
い つもそれは他の誰かで
で も本当に泣きたいのは私

ど んなに悔やんでも
う まく変われやしない
か 去の延長にしかなれない現在だから
あ んなに固く誓った約束も
た わむれに過ぎなかったのね
し った時には全て終わってた
と んでもない思い違い
ワ たしだけを責めないで
ル ールなんて知らなかったのだから
ツ まらない話ね、生きている限り
を しまいがないなんてね


鬼束ちひろ『私とワルツを』より




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